臨床中毒フォトライブラリーについて
本ライブラリー作成に至ったのは、前編集委員長・愛媛大学教授(当時)白川洋一先生のアイディアに端を発します。2006年7月に松山市で開催された第28回総会・学術集会の際、会長を務められた白川先生は、「臨床中毒フォトコンテスト」という名称で、臨床中毒学に関係の深い「動植物」および「症候」をテーマとする画像を募集する、という企画を開始されました。会告には「日本中毒学会・画像ライブラリー企画」と記され、当初からデータベース化されることが想定されていました。この年は、約20人の応募者から86作品が出展されるという盛況を呈しました。
その後、フォトコンテストは総会・学術集会の恒例行事として定着し、2007年26作品、2008年21作品、2009年30作品、2010年23作品、2011年20作品、2012年21作品、2013年23作品、2014年15作品、2015年18作品と多数の作品が寄せられてきました。これらの写真は学術集会参加者の目を楽しませ、入選作品が「中毒研究」の巻頭を飾ってきただけでなく、臨床中毒学に関連する貴重な画像情報として着々と蓄積されてきました。過去約10年の間に作品の募集や表彰方法に若干の変遷がありましたが、入選作品の著作権は日本中毒学会に帰属し、蓄積された画像情報を臨床中毒学発展のため役立てるという基本的な方針は変わりません。
今回、福本真理子委員長をはじめとする広報委員会、編集委員会の尽力によりフォトコンテストの募集方法や入選作品利用に関するルールおよびシステムを整備することができたのは、誠に喜ばしいことです。今後、中毒に関連する貴重な画像情報が更に蓄積され、本ライブラリーが臨床中毒学の発展に寄与することを願ってやみません。
2016年4月
日本中毒学会編集委員会
委員長 水谷太郎